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医療コミュニケーション 医療者と医療者の関係 阻害要因

医療者と医療者のコミュニケーションの阻害要因は、主要なものとして3つあげられます。一つは役割ストレス、二つ目に医療者間の理解不足、最後に自治権をめぐる争いです。

役割ストレスとは、職務に関して理想や本来の姿と現実が違うことに起因するストレスや業務が多すぎることに起因するストレスです。その結果、ちょっとしたことで怒りやすくなり、しばしば医療者間の緊張の原因になります。医療者間の理解不足とは、医療の現場に入ってしまうと、他の医療者の職務をよく理解できていないにもかかわらず、他の医療から協力するように求められることから、逆に今度は、他の医療に対しても自分の職務以外の業務をどんどん要求するようになっていきます。そして、医療者間の縄張り争いが増えていくことになります。これに対処するためには、教育実習の段階で共通の研修を取り入れたり、医療者間の共通領域の知識については共通の研修やセミナーを実施し、職種間で意見交換を行ったり、立場の違いを理解し合うように議論していくことが重要です。自治権をめぐる争いについては、医療者間の理解不足や部署・診療科ごとにおける一国一城の主的な発想からくる縄張り争いによるものです。自治の程度としては、やはり医師が高くならざるを得ないです。医療法によって認められている業務範囲の広さ、必要な医療施設を利用できる能力、本人が第三者からの弁償を受けられる能力の高さなどを勘案すると当然のことと思われます。近年においては、医師・看護師・薬剤師・理学療法士・作業療法士・ソーシャルワーカー・栄養士・事務員などによる医療チームが形成され、チーム医療が実施されることによって部署や職種の壁が取り払われようとしています。患者治療の中心となる医療チームリーダーを中心として、チーム医療が実施されるというよい傾向に向かっていっているのではないかと思います。

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