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戦略志向のマネジメントの5原則とバランスト・スコアカードの管理方法について

戦略的マネジメントは、企業や組織の将来的に進むであろう道筋を企業内部・社会あるいは経済環境との関わりの中で意思決定していくためのマネジメントである。そのため、企業や組織に大きな影響を及ぼす要素を考えて、戦略の方向性を決定しなければならない。中・長期的な視野で、幅広く、かつ深い洞察力を伴った思考が要求される。さらに、中・長期的期間の後に大きな影響を与えるであろう不確実な要素にも目を向けなければならない。このような状況下においては、不確実な要素の幅を見極め、異なるいくつかの戦略代替案を創出して、その中からリスクとリターンを見極めて選択していくことが必要となってくる。戦略的マネジメントが決定したら、経営者は戦略志向マネジメントの5原則に則って、オペレーション・マネジメントを進めていくことになる。戦略志向マネジメントの5原則は以下の通りである。

  1. 経営者がリーダーになって変革を活性化すること
  2. 戦略を現場の言葉に落とし込むこと
  3. 組織を戦略に方向付けること
  4. 戦略をすべての人の毎日の仕事にすること
  5. 戦略を継続プロセスにすること

バランスト・スコアカードが、組織全体に浸透して確実に成果を上げるためには、戦略目標が組織全体で共有されるようになり、各個人の行動パターンにまで浸透することが必要である。そのためには、従業員が集まってバランスト・スコアカードを作成し、定期的に会議を開き、目標値に達成しているかを確認し、対策をとっていく必要がある。ここにいわゆるオペレーション・マネジメントが実行されることになる。

オペレーション・マネジメントは意思決定された戦略に従い、経営資源(人、モノ、金、情報)を有効に活用し、求められる成果をある期間内にあげるために行うオペレーション(業務の遂行・実行)をマネジメントすることである。ここでは、Plan、 Do、 Check、 Action のPDCAサイクル(①Plan:まず目標を設定し、それを具体的な行動計画に落とし込む。②Do:果たすべき役割を決めて人員を配置し、組織構成員の動機づけを図りながら、具体的な行動を指示する。③Check:途中で成果を測定・評価する。④Action:必要に応じて是正を加える。)を回して、定められた期限の中で着実に成果をあげることが求められる。戦略目標を日常に落とし込み、かつ4つの視点(顧客の視点、業務の視点、財務の視点、学習と成長の視点)からの指標設定のため事業展開に沿った多面的なKPIが設定でき、収支の改善・悪化の詳細な原因が特定でき、的確な改善アクションが早期に打てることになる。これにより、戦略が明確化され、共有化されるだけでなく、事業間での連携も促進される。こうした基盤を構築することで全員参加型の組織経営が可能になり、従業員各人の責任と権限も明確になっていくことになる。

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