事業主貸勘定とは、簡単に言うと個人事業主が事業に関係のない支出(消費性の支出)があるときに使用する勘定科目です。銀行では、個人の預金口座を作成するときに消費性個人なのか事業性個人なのかを確認し、設定登録を行います。事業を始める方は、ついつい従来使用していた預金通帳をそのまま使ってしまいがちになります。合同会社や株式会社などの法人口座を作成する場合には、しっかり分けますが、個人事業を始めたばかりで何もわからない時は忙しさにかまけて、消費性個人の通帳をそのまま使用します。できる限り、スタート時点から事業性の新規口座を作成しておきましょう。
個人事業主は、その事業について収支計算を行って、確定申告をする義務があります。事業主貸勘定とは、事業性口座に入っている資金を生活費など事業主の個人的な支出に使った場合に事業主貸という勘定科目として起票されます。預金口座だけでなく、レジに入っている現金から生活費などを引き出した場合にも事業主貸として帳簿に計上されます。
法人で経理をしていた方は、見慣れない勘定科目だと思います。事業主貸の反対の意味で使う勘定科目に事業主借勘定があります。これは、先程述べました通り、消費性個人の預金口座から事業関係の支払いをした場合や、消費性個人口座から資金を借りた場合などに使用する勘定科目です。
【事業主貸勘定の具体例】
事業用のクレジットカードで個人の生活用品を購入した。
事業性預金口座から健康保険料や国民年金を支払った。
事業性預金口座から所得税、相続税、住民税など経費にすることができない税金を支払った。
事務所と自宅を共用している場合に、事業性預金口座から家賃や水道光熱費を支払った。
事業性預金口座から消費性預金口座へ資金を振り替えた。