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企業会計原則注解 重要な会計方針の開示について 重要な後発事象の開示について

[注1-2] 重要な会計方針の開示について

 財務諸表には、重要な会計方針を注記しなければならない。

 会計方針とは、企業が損益計算書及び貸借対照表の作成に当たって、その財政状態及び経営成績を正しく示すために採用した会計処理の原則及び手続並びに表示の方法をいう。

 会計方針の例としては、次のようなものがある。

イ 有価証券の評価基準及び評価方法

ロ たな卸資産の評価基準及び評価方法

ハ 固定資産の減価償却方法

ニ 繰延資産の処理方法

ホ 外貨建資産、負債の本邦通貨への換算基準

ヘ 引当金の計上基準

ト 費用・収益の計上基準

 代替的な会計基準が認められていない場合には、会計方針の注記を省略することができる。

[注1-3] 重要な後発事象の開示について

 財務諸表には、損益計算書及び貸借対照表を作成する日までに発生した重要な後発事象を注記しなければならない。

 後発事象とは、貸借対照表日後に発生した事象で、次期以後の財政状態及び経営成績に影響を及ぼすものをいう。

 重要な後発事象を注記事項として開示することは、当該企業の将来の財政状態及び経営成績を理解するための補足情報として有用である。

 重要な後発事象の例としては、次のようなものがある。

イ 火災、出水等による重大な損害の発生

ロ 多額の増資又は減資及び多額の社債の発行又は繰上償還

ハ 会社の合併、重要な営業の譲渡又は譲受

ニ 重要な係争事件の発生又は解決

ホ 主要な取引先の倒産

[注1-4] 注記事項の記載方法について

 重要な会計方針に係る注記事項は、損益計算書及び貸借対照表の次にまとめて記載する。

 なお、その他の注記事項についても、重要な会計方針の注記の次に記載することができる。

[注2] 資本取引と損益取引との区別について

 資本剰余金は、資本取引から生じた剰余金であり、利益剰余金は損益取引から生じた剰余金、すなわち利益の留保額であるから、両者が混同されると、企業の財政状態及び経営成績が適正に示されないことになる。従って、例えば、新株発行による株式払込剰余金から新株発行費用を控除することは許されない。  商法上資本準備金として認められる資本剰余金は限定されている。従って、資本剰余金のうち、資本準備金及び法律で定める準備金で資本準備金に準ずるもの以外のものを計上する場合には、その他の剰余金の区分に記載されることになる。

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