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引当金について 意義・要件・計上根拠

月次試算表には出てきていなかったのに、できあがった決算書をみると貸借対照表の負債項目に引当金が計上され、利益が減っていると思ったことはありませんでしょうか?私は、減価償却費や引当金繰入額は毎月の試算表に月割計上していくことを銀行員時代の25年ほど前から経営者の方や税理士先生へ勧めていました。当時は、関東地区においても、ほとんどいただいた試算表に減価償却や引当金が月割計上されていることはありませんでした。

【 引当金の意義 】

引当金とは、将来の費用・損失を当期の費用・損失として、あらかじめ見越し計上したときの貸方項目である。

【 引当金の要件 】

将来の特定の費用または損失であること(退職給与、賞与、貸倒引当金など)

発生の可能性が高いこと

発生が前期以前の事象に起因していること

金額を合理的に見積もることができること

【 引当金の計上根拠 】

①合理的な見積もりが可能であるならば、発生主義の見地から予見計上

②費用収益対応の原則

③保守主義

今は、退職給付費用(P/L)と退職給付引当金(B/S)に名称が変わりましたが、昔は退職給与引当繰入額、退職給与引当金でしたね。懐かしいです。日本は、退職給付会計やリース会計も同様ですが、減損会計や連結会計など、国際会計基準と比較し、かなり遅れをとっていました。退職給付会計などは大企業の隠れ負債の問題、確定給付から確定拠出への流れ、いわゆる401Kの関係などで制度自体が大きく変わっていました。そういえば、大学院の会計の教授に銀行員時代に経験した中小・中堅企業における資本の部の問題点を提言しましたら、そのかなり後に株主資本等変動計算書が誕生しました。日本における連結会計の問題を提言されている教授だったので、私の現場で感じた問題点を何らかの場で発言してくれたのかもしれません。と勝手に自己満足しています。

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