医療の質については、米国のドナベディアンが整理したものが有名です。1966年に発表した論文で医療の質は「構造(structure)」「課程(process)」「結果(outcome)」という3つの側面から評価されるとしました。
ストラクチャーとは、言葉の通り、病院の施設・設備や医療スタッフの質・量などです。モノや人の配置など物的あるいは人的資源の側面ということになります。
プロセスとは、実際に行われた治療・看護・リハビリなどから入院時の栄養管理、在宅復帰支援、患者・家族の相談応対や意見の尊重などです。つまり、医療従事者の態度や行動の側面ということになります。
アウトカムとは、治療や看護の結果としての患者の健康状態や生活の質(quality of life)の側面です。アウトカム指標としては、平均在院日数、合併症率、再入院率、褥瘡発生率、転倒率、患者満足度などがあります。
医療の質は、奥が深いです。まず、質とは何か、質の要素とは、品質か質か、qualityと質とは、[1]などから始まり、診療の質、医療機関が提供するサービスの質、提供するサービスにも様々な種類がありそのすべてのサービスの質、組織の質、職員の質、医療経営の質[1]など多岐にわたります。
[1]医療安全管理テキスト 飯田修平編 日本規格協会 2010年