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ホーソン研究について

ホーソン研究とは、1924~1932年に米国のホーソン工場において集団行動に関する研究を行ったものである。

 当該研究で、物理的環境(明るい職場とそうでない職場)と生産性の関係では差が認められず、賃金インセンティブと生産性についても差が認められなかった。

 しかし、唯一差が認められたのは観察の有無と生産性の関係であった。観察されている群はそうでない群に比べて、産出量が着実に増加し、欠勤や病欠の日数も3分の1であったという結果が得られたのである。つまり、「特別」なグループというステータスの影響を受けた結果、参加者は実験群に属する事で自分たちはある種のエリート集団であり、管理者はそのような実験を実施する事で自分たちに期待にしてくれており、何らかの利益を得られるのではないかと考え、効率が上がったものと考えられる。

 このように従来、集団における行動は、働く環境や賃金によって変わると思われていたが、ホーソン効果ではそのような要因による行動の変化は認められず、観察の有無によってのみ生産性に差が生じることが明らかにし、規範が行動に影響を与えるという新しい知見を与えたのである。

 具体的には、メンバーの生産意欲をくじくような集団規範の影響が強いと、非常に有能でやる気のある従業員もそこそこの業績しかあげられないということや、集団はメンバーにプレッシャーを与えることによって、メンバー行動を集団の基準に適合させようとするといった、規範が行動に与える影響に関する知見が得られたのである。 つまり、労働者の行動と感情は密接に関連しており、集団は個人の行動に顕著な影響を与え、集団の基準は個々の労働者の生産性を決定する上で大きな影響力をもつ。そして、労働者の生産性を決定する要因は賃金よりも集団基準や感情、安心感である。

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